キョンボックン(景福宮)駅の1番出口付近には、美味しいお店が並ぶグルメ通りがあります。退勤後の会社員が1日の疲れを癒してくれる場所です。ソチョン(西村)の中心部に入っていくと、だんだんとソチョンらしい空間が見えてきます。「一冊の書店」は、ソチョンならではの雰囲気を感じながら食事ができるお店を求めていました。賑やかな雰囲気もいいですが、たまには静かな空間で1日を締めくくりたいことがあります。また、静かな散歩がしたいときやデートを楽しむ恋人にもソチョンはピッタリです。トンインシジャン(通仁市場)の横にある「アジュロ」は目立つお店ではありません。ワインバーと聞くと華やかな外観を想像しますが、商店街の地下にお店があるので外からは店内の様子を確認することができません。建物の中に入ると、静かなソチョンにある深い海「アジュロ」に出会えました。歩き疲れた人々の心を癒してくれる海のような空間「アジュロ」のお話を聞いてみましょう。
海の中に入ってきたような空間が印象的です。「アジュロ」の語源も「青色の道」という意味ですが、具体的にはどのような意味が込められていますか?
「私が元々青系統の色が好きなんですよ。ここは『ゴスマ』とは違って全部撤去して一から空間を構想したので、私の色をたくさん入れたかったんです。それで青系を選択したんですけど、そこに『アジュロ』が出てきました。アジュロの前に『sentiero』という単語をつけたのは、イタリアに遊歩道で海岸の道があって、その道を『sentiero azzurro』と言います。イタリアの海岸沿いの遊歩道を歩いているかのように、様々なイタリア料理を食べられる空間だ。そんなストーリーがあります。初めは単純に色だけの意味だったんですけど、広い意味としてはそういうふうに変わりましたね。」
「インテリアを構想する時も、海岸の絶壁を表現しました。テーブルとかを見てもらうと上は大理石、下は木で出来ていて残りの色は海を表現しているんです。なので他の場所と違ってメインテーブルは花崗岩にしました。」
既存のソチョンの色ではなく、新しいコンセプトに挑戦するにあたって悩んだ点などありましたか?
「ソチョンのレストランは大体10時には閉まるんですけど、お客さんたちはいつも2次会の場所を探していました。この町にはそんなに多くなくて。バーはあるんですけど、食事をする雰囲気ではないですし。なので、ソチョンで10時以降でも食事ができる空間にしようと。最初はイタリア料理のお店なので、単純にワインだけを提供しようとしたんです。ターゲットは会社員だったんですけど、『ゴスマ』の若い層のお客さんが結構多く来てくれていたので伝統酒も入れました。若いお客さんたちはワインよりも伝統酒を求めています。」
スモールディッシュを提案された理由はなんですか?
「お酒を飲むとき、お腹がいっぱいだと色々食べれないじゃないですか。お店に行くと色々頼んで食べてみたいタイプなんですよね。食べ物にお金を惜しまない方なので。お酒を飲んでて、2次会にバーとかに行くと、普通はお酒ばかり飲むでしょう。食べてもせいぜいお菓子とかチーズくらいだと思います。私は食事も一緒に楽しみながら遅い時間まで飲むことができる空間を作りたかったので、スモールディッシュというものを考えました。もう少し価格を下げて、量を減らす方向で調整中です。
空間の雰囲気だけでなく、食器にもこだわりが感じられます。ご紹介していただけますか?
「この席は六角バーです。3人でバーに来ると通常横並びになりますが、ここは4人まで楽に座れます。居心地の良さなどにこだわるべきだと思って調整しました。」
「グラスなどは全部輸入品です。スタンドもそうですし、ここの器もです。『ゴスマ』はそうではないので。よく見るとそれなりのコンセプトがあるんですよ。ステンレス、ブラック、ミラーという感じで。ヒーティングランプと言って食べ物やお皿を温めてくれるものもあります。なくてもいいんですけど、先ほどお伝えしたように、ここは私の色に染めたくて。こういうもの一つとっても、料理をする人たちが来るとみんな気付くんですよ。実はインテリアをされる方も驚かれてました。」
「空気に触れることで味が美味しくなるワインがあるんですが、そんなワインは普通すぐには提供できません。ですがワインエアレーターというものがあって、ワインを注ぎながら空気を効率的に触れさせることのできるアイテムです。これも日本のあるバーに行った時にもらいました。これが意外に手に入りにくいんです。バーで見た時、とても印象的だったのを覚えています。音を聞かれるともっと魅力的に感じると思います。」
[アジュロ お店情報]
INTERVIEW DATE / 2019. 08. 12
INTERVIEWEE / @sentiero_azzuro
INTERVIEWER / Won, Wan
文|西村遊戯 写真|西村遊戯
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