「BAR CHAM」は、西村でバーの大衆化と地元の人々に認められるバーを目指し、空間を作った人たちから埋めていく人たちの物語をそのまま盛り込み、いつの間にか西村の代表的なバーとして定着しました。だからでしょうか。店内のあちこちに、今のバーチャムになるまでの時間が感じられます。堅牢さと存在そのものが素敵なオーク材を使用し、店名も木の名前にちなんで「BAR CHAM」となりました。木材から醸し出される落ち着きのある居心地の良さと、バーチャムならではの香りが印象的だ。今回のインタビューでは、工事の様子からメニューの話まで、「BAR CHAM」の軌跡をお伝えしました。どこか堅実でありながらリラックスした雰囲気の中で行われたインタビューを通して、この空間に魅了されることを願っています。

こんにちは、インタビューにご協力いただきありがとうございます。2018年のオープン以来、バーチャムはすっかり西村の代表的なバーとして定着しましたが、記事を通してバーチャムを初めて知る人のために、ここの簡単な紹介をお願いします。

こんにちは。チャムは韓屋を改装して作ったバーです。(**韓国語でオークは「チャムナム」) オークを使って作ったバーなので、チャムナムのチャムを使って店名をチャムと名付けました。通常、商号に隠された意味を込めることが多いのですが、直感的で簡単な感じを伝えたいと思い、このように名付けました。


では、店内の木材は全てオーク材ですか? また、建築や家具製作には様々な木材が使われていますが、オーク材を選んだ特別な理由があるんでしょうか。

そうです。基本的な韓屋の骨格を構成している木を除いて、今座っている椅子やテーブル、バートップ、出入り口、さらには額縁まですべてオーク材です。 実は、必ずしもオーク材を使わなければならないとは思っていませんでした。他の木を使ったら店名も全然違っていたかもしれないですね。 ケヤキを使ったら店名がケヤキになったでしょうし、おそらくバーチを使ったらバーバーチになったでしょうね(笑)。


初めてトンイン洞に「チャム」というバーができると聞いたとき、真実を意味するチャムなのか、魅力を意味するCharmなのか気になりました。 お店のチャムにはどんな意味がありますか?

よく同じ質問をされる方が多いのですが、魅力的という意味を持つチャミング(Charming)のチャムなのに、店名を間違えているのではという方もいらっしゃいました。 チャムは文字通り、店に使われている材料からチャムになりました。チャムナムは英語でオーク(Oak)ですが、英語の名前に倣って店名をバーオークにするのは普通の感じがしました。 せっかく西村にオープンしたのだから、ハングルでチャムナムの<チャム>とつけるのがいいと思いました。


考えてみれば、オークの木自体から感じられる心地よさと居心地の良さがあります。 お店に入ると香りもとても良いです。

そうですね、オークはとても硬いし、家具に使われた姿を見ると、技巧がなく、重厚ですっきりとして、それだけで素敵な木です。 オークを選んだ理由は特別な理由はないと言いましたが、飾らない直感的で素直な姿を追求しているため、オークを選んだのではないかと思います。お店に長くいるので、あまりにも慣れてしまってどんな感じなのか推測するしかないですが、たぶん「咸陽」というカクテルを作るときに松ぼっくりを燃やすときの香りではないかと思うこともあります。

出入り口の前に掛けられた銘板が重い存在感を知らせるのにしっかり一役買っているようです。ロゴはチャムをシンプルに分解したものですか?もしかして、漢字の「木」と「占」に二重の意味があるのでしょうか?

重層的な意味を意図したわけではありませんが、チャムを解いて書いた後、その中に含まれる木の羊飼いを強調したかったのは事実です。オークの木という意味をロゴに込めたかったので、一緒に作業したカン・ヒョンシンデザイナーがアイデアを出してくれて、素敵に仕上がりました。


店名の意味を分かることができて嬉しいです。西村に来る前に様々な経験があったと思いますが、漢南洞(ハンナムドン)のスピークイジバーでの経験を経て、どのようなきっかけで西村に定着しましたか?

最初にバーテンディングを始めたお店は、ナクソンデの地下にある小さなバーでした。そこでの経験が人を奮い立たせるもので、そこで一日一日を生きるという姿勢を身につけました。 その後、トレンディな場所で働いてみたいと思い、弘大(ホンデ)と梨泰院(イテウォン)にあるラウンジバーで働きました。カクテルも素早く製造しなければならず、外国人の客も多く、エネルギーを注がなければならない場所でした。 当時、ラウンジバーで働いていた時の出会いが今まで続いています。お客様もそうですし、バーテンダーの友達もそうです。 それから働くことになったのが漢南洞にあるスピークイージーバー・マルタールです。今は漢南洞に多くのバーがありますが、マルタが先発走者でした。エアコンの室外機がガンガン出ていて、古いアパートがある路地裏に位置していました。 4年間働いて、そろそろ自分の店を持ちたいと思うようになりました。漢南洞は大通りを起点に左側か右側かによって雰囲気がかなり違うのですが、国連ビレッジの方より順天郷病院の近くに惹かれ、そこに「マイナス」というバーを開くことになりました。


<マイナス>という名前はプラス(+)マイナス(-)のそのマイナスですか?

いいえ、英語でMiners、鉱山労働者という意味です。 当時のバーテンダーは、重厚で真面目なサービスを追求し、常にスーツを着ているアティテュードを持つのが当然の流れだったんです。 私はそうはいかないと思ったので、店名もメジャー(主流)ではなく、マイナー(非主流)な感じを出したかったので、中庸な表現にしました。私が漫画が好きでオタク気質なので(笑)、鉱山とスチームパンクの世界観を融合させた店内を作りました。 初めてのお店なので、全て一から十まで自分たちで作りました。 今でも時間があればよく行くようにしています。その経験を生かして、その後作ったのがバーチャムです。


新しくオープンしたポムの紹介も簡単にお願いします。(やはり西村にあります)バー ポムは昨年オープンしましたが、オープンした期間はかなり長いです。 まず、バーチャムの近くにありながら韓屋ではないし、バーチャムとはメニューも違いますね。 真面目なチャムの感じとは違って爽やかな感じが強いようです。

マイナスでは非主流の文化を扱いたかったし、チャムでは韓国の伝統的なお酒をたくさん扱いたかったんです。 お店ごとに特徴を持たせようと思うのですが、どうもメインの流れとは少し違う方向に行くのが私の癖みたいです(笑)。ほとんどのバーが主流のウイスキーを扱っているので、ウイスキーを排除したバーを作りたいと思ったんです。 気持ちとしては、京都のカルバドールバーのように400種類以上のカルバドスだけを扱ったり、東京のシェリークラブが200種類以上のシェリーだけを扱うように、もっと特色を出したかったんです。現実的には反映しにくい部分もありますが、とにかく中心から外れて、マデイラ、シェリーなどのアルコール強化ワインやカルバドス、ピスコなどのフルーツを使ったお酒を多く扱いたいと思っていました。 それで店名もフルーツを代表するフルーツであるリンゴのpomme(ポム、フランス語で「リンゴ」の意味)にしました。


雑誌(noblesse)とのインタビューで、「朝に食べるリンゴのように、昼間から気軽に立ち寄れるバーにしたい」とおっしゃっていましたよね。

そうそう、そうですね。リンゴは朝に食べる果物ですからね。 早い時間から気軽に立ち寄れる場所であることを店名で伝えたかったんです。 実は店名を決めるのにすごく悩みました。 二度ほど変更した結果、この名前が誕生しました。バーチャムのネーミングの時は簡単につけられたのですが、今回はちょっと難しかったです。

この建物を背にして通仁洞で2つのバーを運営されていますが、それほど西村が魅力的に感じられたということでしょうか。 最近興味があり、古い韓屋をリモデリングした資料をたくさん探しているのですが、建築主が口をそろえて「迷ったけど、この場所だと確信した」とよく言っています。 もしかしたら、代表も西村でこの建物に出会った時、同じように思いましたか?

ただ西村であればいいと思いましたし、特に韓屋である必要はないと思っていました。 西村に四角くバーを開くのに適した形のスペースを見つけるのが大変でした。 ここがちょうど規模も適切で、バーが一列に並ぶのに適したスペースだったので、ここに決めました。


既存の空間から構造が大きく変わりましたか?

既存のものの位置を全部再構成しました。 土台だけ残して全部取り壊しました。 よく見るとわかりますが、梁も全部変えました。 工事の過程を見て、ここのビルオーナーだと誤解されることが多いです。 また、私がお金をたくさん稼いでいると思われることもありますが、そうではありません。 借金を返しながら一生懸命生きています(笑)


今のお客さんが経験しているような空間感は全くなかったと思います。 昼間に一度訪れたことがあるのですが、意外と採光が良かったです。 何だかチャムというと重厚感のある暗い雰囲気だと思っていたんですけど、オープン時間を維持すれば、多くの方に昼間の魅力的なバーチャムを感じてもらえると思います。

昼間にオープン準備をするときは、太陽の光を浴びたり、窓から竹を眺めたりしています。 仕事中ですが、その風景のおかげで生活の質が上がるような気がしました。 その感じが好きで昼間もオープンしてみたのですが、バーチャムのサービスは一人一人に集中してサービスをしなければならないので、スタッフのスケジュールを考えると営業時間を長くするのは難しいですね。 後でも、できれば自慢のように昼間も営業してみたいです。


それでは、バーチャムをオープンする上で難しかった点は何ですか?

一番答えやすい質問でありながら難しい質問だと思います。 すべての部分が大変で、どれか一つを選ぶのが難しいからです。 まず、空間全体として非常に多くの工程が行われました。 工事だけで3ヶ月以上の期間がかかりました。バーチャム以前の店の構造をすべて再構成しました。 店の真ん中に下がる柱が6本ほどありましたが、インテリアを担当した知人がこの柱をなくす代わりに大きな木製の柱を3本入れるといいんじゃないかという意見を出してくれました。また、建物の真ん中に位置する出入り口は、バーを入れるとドアを開けるときに椅子が引っかかるので、ドアを一幅横に移動しました。 その過程でトイレのスペースが狭くなったので、トイレも内側に移動しました。 ミニフォークリフトが入ってきて地面を削って水路を作るときに、柱が倒れそうになったこともありました。


工事をしていると、当初の計画と100%一致することは稀だと思います。 今でも思い出すとゾクゾクしますね。

そうですね、この機会に知人に感謝の気持ちを伝えたいです。 何の対価もなく内装をしてくれたので、大きな恩人です。店の壁によく見ると「イムビョンジンなんてバカ」と書いてあります(笑)恩人のような兄が直接残したもので、意味が深くてそのまま置いておきたかったんです。

インタビューが進むにつれて、なぜバーチャムが西村の代表的なバーになったのかが分かるようです。 個人的に西村に知人が来ると、当然バーチャムに向かいましたが、最近はポム( pomme)も何度も訪れました。少し見慣れない空間ですが、「ここはバーチャム代表がやっているところだ」と自信を持って知人に紹介しました。 そういえば、イムビョンジン代表はもう一つのジャンルになっているようです。興行が保証される感覚をお持ちだと思います。

ありがとうございます。いつも良い人たちに助けられています。 一番最近オープンした ポム( pomme)もセンスの良い人たちと意見を出し合って誕生した空間です。 私が追求していることを空間内でうまく具現化してくれました。


バーテンダーも芸術の一種だと思うんです。 カクテルは作品ですし。 代表に感じる雰囲気は、芸術系がとても似合う方だと思いますが、どのようなきっかけでバーテンダーの道を歩むようになりましたか?

実は私も絵を描いていた人間です。マンガを専攻し、劇画の仕事を多くしていました。あまり才能があるわけではなかったので、生計を立てるためにサービス業のアルバイトを始めました。 いろいろな分野がありますが、せっかくなら長く続けられそうな分野を探したかったんです。レストラン経営、ソムリエなど興味のある分野はあったのですが、悩んだ末にバーテンダーの道に進むことにしました。 まずは調合酒技能士の資格取得のために国際カクテル学院に登録し、勉強を始めました。 当時のバーのトレンドがパフォーマンス重視だったので、地下にある練習センターで機能的な部分を必死に練習しました。 最初は慣れませんでしたが、練習するうちに技術の完成度が上がり、自分自身が成長していく楽しさを感じました。 自信と自己満足が高かった時期です。 ただ、26歳で準備を始めたので、他のバーでは敬遠される部分があったようです。いくつか履歴書を提出したところ、洛星台にあるバーが手を差し伸べてくれて、今に至ります。


基本的に器用さと芸術的なセンスがありますね。

センスがあるよりは(笑)、カクテルを表現する形に興味を持ち、愛情を注いでいくうちに覚えていく部分が多いようです。


別のインタビューで、家酒研究所を卒業されたとおっしゃっていましたが、韓国酒のどのような魅力に惹かれましたか?

韓国酒について知りたいという漠然とした思いから始めました。 学んでいくうちに、韓国酒に込められた多様な姿と深い味、そして文化を溶け込ませた部分が大きな魅力に感じられました。 このような魅力を伝えたいという気持ちがとても大きかったです。 バーチャムをオープンし、地域の特産物と地域の酒を織り交ぜたRegional Cocktailを作ったのがその理由です。


家酒研究所はアカデミーですか?

教育機関とご理解してください。3ヶ月のコース後、蒸留、教育者コースなど様々な深化コースを選択することができます。


その時の経験がチャムのメニューに大きな影響を与えたということですね。

そうですね。 韓国酒の研究を長くされている方に比べると私の知識は浅いですが、韓国酒の大衆化に貢献しているという点で、私も深い責任感を感じています。


最近注目している分野はありますか? それとも音楽鑑賞や、旅行など、普段楽しんでいる趣味はありますか?

実は最近、趣味と言えるものがあまりなくて、生活の質についていろいろ考えているところです。ティーソムリエコース修了後、お茶の勉強をしているのですが、結局これも仕事と結びつけているので、仕事の延長線上にある感じです。 確かに今は仕事だけに没頭している状態だと思います。 個人的に楽な状態でなければ、お客さんにもっと良いサービスを提供できると思うので、たくさん手放そうと思っています。


先ほどのバーマイナス(Miners)にはスチームパンクな要素を多く取り入れていますが、バーチャームにも代表さん個人の趣味が反映されているのでしょうか。

バーチャムを企画するにあたって、個人的な趣味は排除したかったんです。ただ、音楽の場合は歌謡曲をよく流すのですが、普通のバーとは違いますよね。 アメリカのバーではポップスを流すのですが、韓国では韓国の歌謡曲を流しても大丈夫だと思いました。 むしろ、外国人のお客さんは選曲を通して本当の韓国を感じてもらえると思うので、自信を持って流しています。メニュー名にもハングルをたくさん入れました。 このような要素が集まってバーチャムを構成しています。わざと韓国をアピールするというよりは、自然に溶け込んでいるんです。

よくバーを訪れるたびに感じますが、バーチャムのバーテンダーの方々は礼儀正しいですが、難しい人とは感じられません。 多彩なバックグラウンドをお持ちの方が多いように感じます。 一緒に働くスタッフを探す際に、どのような点を重視していますか?

社交的な仲間と一緒に働きたいと思います。 一般的に社交的な仲間は様々な経験を積んでいて、オープンな考えを持っていると思います。 実際に他の業種に従事していた方がバーチャームで働いている方も多いです。


代表も20代後半になってからバーテンダーになったので、年齢やこれまでの経験はあまり気にならないと思います。

そうですね、私より年上でもコミュニケーションが円滑で魅力的な方であれば十分です。 経験が大事だと思います。


最近、長い間一緒に働いていたスタッフを見送るインスタグラムの投稿を見かけました。 Tシャツまで作ってお客様と一緒に楽しんでいる姿がとても印象的でした。2018年からここにいらっしゃったので、もう3年ですね。 常連さんがかなり多いようですが、印象に残っているお客さんはいますか?

すべてのお客様一人一人が大切で特別な存在だと思っています。一人一人を挙げるのは難しいですが、オープンしたばかりの初日に一組のカップルが訪れ、結婚すると言って結婚式の招待状をくれたのが印象に残っています。 ここで人々の関係が変化するのを見るのが不思議で楽しいです。 縁が結ばれ、続いていくのを見るのが私たちが感じるやりがいの一つです。


韓屋の雰囲気からか、特別な日に両親を連れてここに来たらいいなと思いました。私が思っていたよりも、両親の手をつないで来られる方もいるのでしょうか?

 バーチャムを訪れるお客さんの年齢層はだいたいどのくらいですか? バーチャムに来られる方の年齢層は本当に様々で、実は私は年配の方に来ていただきたいという思いがあります。たまにご両親を連れて来られる方がいらっしゃいますが、その時は本当ありがたいし、特別な気持ちになります。 バーチャムの工事中に父は亡くなり、オープンしたお店を見ることができなかったし、母はお酒を口にしない方なので、ご両親と一緒に来られる方を見ると、私も愛おしい気持ちになります。


多くの方に愛されているお店だと感じていると思います。

本当にありがたいことです。最近では、SNSで広く知られるようになり、お客さんの年齢層が少し若くなってきている気がします。 でも、特定の年齢層に限定せず、すべての方に気軽に来ていただきたいです。 私たちも頑張ります。

チャムのメニューは、お酒を飲めない人でも興味をそそられるほど、読むのが楽しいです。「忠州キンパプ」、「イチジクの葉」など...新しいカクテルが発表されるたびに驚かされます。カクテルの名前や、材料など、どこでインスピレーションを得るのですか?

メニューを作るときに一番大切にしているのは、共感です。お客様が興味のない部分、または難しすぎる部分は、バーを訪れたときに不快になる要素なので、すべての方が十分に共感できるストーリーを考えて作っています。 今まで作ったメニューを持ってきたのですが、歌手が様々なコンセプトでアルバムを発売するように、バーチャムのメニューも特別なものにしたいと思っています。 最初のメニューと2番目のメニューはどちらもポストカードブックをコンセプトに、前面はポストカードのイメージで、後ろにはカクテルの説明を入れました。 ただ、2番目のメニューはクラシックで様々なカクテルを紹介したかったので、メニューが少し増えました。3つ目のメニューは、本格的に「共感」に焦点を当ててみました。 お客様がバーに来られると、その日の気分に合わせておすすめしてほしいとよく言われるので、それをメニュー化視覚化すると面白いと思いました。 主に曲のタイトルや映画のタイトルで構成しました。 例えば、Lover Boyというカクテルは、タイの歌手Phum Viphuritの曲にインスパイアされました。 ミュージックビデオはパタヤビーチの二人の男女を描いていて、軽快で楽しいので、その雰囲気を生かしたかったんです。 その地域のお酒や食材を使ったカクテルです。

これまでのメニューを見ると、4番目のメニューでは見かけなくなったものも多いですね。 4番目のメニューはどのようなコンセプトで企画されたのですか?

4つ目のメニューは、バーチャムのメインバーテンダーだったドンファンさんがディレクションをしました。 今まで積み重ねてきたもの、その年輪を見せたいと思い、特別にメニューを木目で表現してみました。 木の一番外側の「木皮」のページは軽い感じのカクテルを中心に、その内側のナイテンの「春材」のページには比較的軽快なスタイルのカクテルを入れました。内面の深さを表現するときに「秋財」と言いますが、ここは完全にお酒に集中するページにしたいと思いました。 メニューの種類も非常に多く、新しく輸入したお酒もたくさん入れました。 直感的なメニューを追求する私とは違って、ドンファンさんは芸術家気質があるので、微妙なニュアンスが根底にあるように表現しました。

数々のカクテルを手がけた中で、一番愛着のあるメニューは何でしょうか?

「春の日は行く」です。 作られたきっかけはとても特別です。 アジアベストバー50に選ばれる前に、シンガポールでゲストバーテンディングをするよう招待されました。 招待された場所がとても有名なところだったので、不思議な気持ちと同時に、どんなメニューを用意すべきかドンファンさんと頭を悩ませました。 シンガポールはずっと夏なので、韓国の季節を盛り込んだカクテルを披露するのがいいと思いました。 韓国の春はどんな香りを持っているのだろう?と研究していたら、蔓人参と当帰が思い浮かびました。 蔓人参は4月ごろ山の日陰で育ち、当帰は3~6月の間に出てくるのですが、実は両方ともカクテルでは使われることのない材料です。 大胆ですが、韓国の香りを込めた材料だと考えて選びました。 伝統酒をベースにはしていませんが、韓国を表現するマイナーな材料を使ってクリエイティブに表現したカクテルなので、愛着があります。

先ほど韓国の伝統酒について少しお話しましたが、伝統酒を抜きにしてはバーチャムを語ることはできないようです。代表のおすすめの伝統酒と料理とのペアリングはありますか?

もともと良いお酒ですが、ますます美味しくなってきているお酒はチュサラインではないかと思います。 忠清南道(チュンチョンナムド)の予算から出てくるお酒で、予算リンゴを蒸留して作ったお酒です。 予算は秋桜(チュンサ)金正喜(キム・ジョンヒ)先生の故郷でもあります。 秋桜自体も魅力的ですが、今年初めに「秋桜百」というお酒が新しく発売されました。 熟成の過程を経ないにもかかわらず、リンゴの香りをそのまま持っていて、安定感があり、柔らかいです。果実酒特有の果実の香りと、蒸留品質が良いときに出るクリーミーでメロウな感じが印象的なお酒です。 そのまま飲んでも良いですが、お酒自体がかなりアルコール度数が高く、ブランデーのような丸みのあるタッチがあるので、軽く合わせるなら、トンインスウィートのエッグタルトがおすすめです。 深夜の軽食にぴったりです。

本当にたくさんの方にご来店いただいていますが、もしかしてお客さんからインスパイアされたメニューはありますか?

お客様の名前をつけて作ったカクテルがけっこうあります。かなりこだわりが強かった方の好みに合わせて定番メニューになったものもありますし、お客様の個性的なキャラクターを盛り込んで、強烈な材料を入れたカクテルもあります。例えば、とてもファンキーなラムとライム、ジンジャー、ミントなどを一気に組み合わせたものもあります。

カクテルの主人公は、メニューを見てとても驚いたでしょう。

多分そうでしょうね。公平性の問題であまりメニューに載せることはできませんが、今度機会があれば、お客様にインスパイアされたカクテルを集めて、ストーリー性のあるメニューを作りたいです。

バーチャムに続き、ポムバーもたくさんの方に愛されていますが、もしかして3号店の計画はありますか?

今のところ3号店の計画はありません。 今は一生懸命働いて借金を返さないといけないので(笑)。でも、数年後にチャムとポムで実験的にやっていたことを整理して、一人で運営するバーを開きたいですね。 ロールモデルというと大げさに聞こえるかもしれませんが、日本のゲン山本というバーがあります。 大げさに見せびらかさず、一人できちんと引っ張っていくところで、珍しくカクテルがおまかせ形式で提供さ れています。その日は必ずコースで飲まないといけないんです。 面白いところですよね。 そんな形までお手本にするわけではないのですが、その人が見せる雰囲気や能力に似てみたいです。 今の実力では足りないところが多いですが、最低でも3年後から5年後には、一人でもしっかりと空間を埋められるバーをオープンしたいと思っています。


今やっているお店とはかなり雰囲気が違うんですね。

そうですね。 バーチャムは親しみやすいけど丁寧な感じがあり、ボムはファンシーでエネルギッシュな感じがある場所ですから。 将来の3号店を描くとしたら、人々が自然でリラックスできる空間になると思います。 それは完全に私の能力次第だと思います。 後で挑戦してみます。


これからバーチャムが人々にどのような空間として記憶されたらいいでしょうか?

今は「アジアベストバー50」など、いろいろな称号が与えられていますが、今は多くの方にチャムを知っていただいていますが、バーチャムの最終的な目標は、地元の人に誇れるお店になることです。 チャムも数年後には人々の中心から少しずつ離れていくでしょうが、その後も地元に残って長く愛されるバーであり続けたいと思っています。人々が西村という地域を思い浮かべたときに、「あそこにいいバーがある」と思ってもらえたらいいなと思います。 気楽に訪れることができるバーになればいいなと思います。


西村にバーチャムという空間があることを誇りに思います。

ありがとうございます。実は、西村の人たちに認められたいという気持ちは常にありました。 最初はバーをオープンすると言ったら、嫌な視線も確かにありましたから。 そのような人たちが誇りに思って認めてくれるバーになるように頑張らないといけませんね。


お客さんとの共感が厚い「近所のバー」というのがポイントですね。

昔からバーの大衆化を熱心に訴えてきました。マイナスもそうですし、チャムもそうでした。 普通のバーは地下や暗いところにあるんですけど、1階にあって窓のある近所のバーを開きたいと思ったんです。 まだまだ目指す方向性はそうです。 これからもずっとバーの敷居を下げていきたいですね。


長時間のインタビューにご協力いただき、改めてお礼申し上げます。

お招きいただきありがとうございました。


文|西村遊戯         写真|西村遊戯

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